最近読んだ本(79)―― 堂場瞬一『検証捜査』

 堂場氏、警察ものが多いです。警察内部のことに詳しいです。いや、氏の想像かな? そうだとしたら想像力が豊か過ぎですね。警察関係者に知り合いでもおられるのでしょうかねえ。取材と言ってもなかなか内部事情まで話してくれないだろうに、警察、刑事を取り扱った小説を何本も書けるものですね。

 主人公の神谷警部補は、何か問題を起こしたのか警視庁から伊豆大島署にいわば左遷されている。そんな彼に急に本庁から神奈川県警へ行くように特命が下る。訳のわからぬまま神奈川県警に赴く神谷。そこでは連続婦女暴行殺人事件の犯人を誤認逮捕した神奈川県警そのものを捜査するチームが組まれていて、そのメンバーに神谷が加えられたのだった。――というのが、物語の始めです。

 その特命班は北海道、大阪、福岡などからも刑事が集められたチームでした。検証を進めるうち、神奈川県警のずさんな捜査が見えてきます。しかし、当然ながら神奈川県警としては落ち度を認めません。

 そもそも何故、一旦左遷された身の神谷がチームに加わったのか? 神奈川県警はなぜずさんな捜査をしてしまったのか? 警察内部に何があったのか? そして真犯人はいるのか? 様々な謎が絡んで物語は進行して行きます。ただ、神奈川県警が作者にクレームを付けなかったのだろうか、とちょっと心配しましたが。

 もちろんこのような特命班が組まれることは、警察ではおそらくないでしょう。これは作者の全くの想像でしょうね。ただちょっと設定が突飛気味でしたね。それにちょっとだらだらしたところもありました。偉そうなことを言うようですが、もう少し短くまとめるか、割愛してもいいのではと思われる箇所もありました。それに、何故神谷が左遷されたのか、詳しい説明もなく消化不良を起こしそうでした。

 何だか文句ばかり言っているようですが、読みやすい文章(私には丁度良い)だったし、謎解きの楽しみもあり、刑事とてひとりの人間なのだというような人物描写も豊かで、全体としては面白かったです。ただ人に勧めるかどうかは微妙ですがね。



検証捜査 (集英社文庫)
集英社
2013-07-19
堂場 瞬一

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