最近読んだ本(73)―― 東野圭吾『禁断の魔術』

 ガリレオシリーズ第8弾。長編物としては4作目になる今作品。前に読んだ『虚像の道化師』を買った際、実はこの『禁断の魔術』を買うつもりで本屋さんに行ったのだった。しかし、間違って前作を買ってしまった。是非読みたいと思っていた一冊をこの度読み終えた。

 ガリレオシリーズの長編物としては、直木賞を獲られ、私も最高だと思う傑作『容疑者Xの献身』があるが、この『禁断の魔術』の帯に「シリーズ最高のガリレオだと断言しておきます――東野圭吾」とあったから、どれほど面白いのだろうかとわくわくして読み進めて行った。

 結論を先に述べますが、是非読みたいと思った本だったが、その帯の文句ほどは最高でもなかった。些かがっかりだった。ま、先のガリレオシリーズ長編の『真夏の方程式』よりは楽しめたが……。

 ひとりの女性がホテルで変死体となって発見されるところから物語は始まる。一方、大学の湯川の元に高校の後輩の青年が訪ねてくる。彼は湯川を慕うような形で同じ大学に入学してきたのだった。また、ある日のこと。大物政治家のスキャンダルを追っていたフリーライターの男の殺害死体が発見される。

 もちろんこういう物語のことだから、何の関係もない事象が出て来るはずもない。冒頭の女性とフリーライターとのつながりは? 湯川の後輩である青年とふたつの事件との関わりは? そしてさらにそれらに湯川がどう絡んでいくのかというところが物語の本筋である。

 先にがっかりしたと述べてしまったが、つまらなかったと言うことでもない。ちょっとストーリーに懲りすぎている嫌いも感じたし、東野氏お得意のアッと思わせる場面もなかった(ちょっとネタバレか?)から、がっかりしたと言ってしまっただけである。湯川の深い人間味が読み取れる作品だったし、読み物としても、普通に面白かったとフォローしておこう。



禁断の魔術 (文春文庫)
文藝春秋
2015-06-10
東野 圭吾

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