面白い映画を観た件

 昨日、特に何も用事がなく、ボケーッとテレビを見ていた(いつものことだが)。昼食後、NHK-BSにチャンネルを変えたら、『新幹線大爆破』という映画が放送されていた。1975年の日本映画。佐藤純弥監督で、高倉健宇津井健千葉真一等々というオールスターキャストの作品。

 NHK-BSのこの時間帯ではいつもは洋画が放映されている。時間があれば見ることもあるが、日本映画はイマイチなんだよなあ(これは私の偏見である)、と日本映画はテレビで放映されていても、最初から最後まで観ることはほとんどない。この映画も果たしてどうだろうかと見ていたところ、見始めて10分もしないうちに引き込まれてしまい、2時間半という長さにも関わらず、最後まで見入ってしまった。

 東京発博多行きの新幹線「ひかり109号」に爆弾を仕掛けたと、国鉄に脅迫電話がかかってきたところから映画は始まる。いたずらという意見もあったが、犯人は本気だという証拠に、北海道を走る貨物列車を同様の爆弾で爆発させてしまう。その爆弾は、時速80キロ以下になると爆発してしまうというものだった。

 キアヌ・リーブス主演の『スピード』は、この映画が元になっているらしいが、バスなら飛行場のような広い場所でくるくる回っていれば時間を稼げるだろうが、「ひかり109号」は博多に到着すれば、はいそれまでよなのだ。新大阪で在来線を通って大阪環状線に入って、回り続けている間に爆弾を取り外すというような展開になるのかとも思ったが、そんな馬鹿な話にはならない。(笑) ともかく最後まで犯人グループと警察当局・国鉄とのスリリングな駆け引き、そして1500人の乗客と乗員らのパニックが続いて行き、どうなるのかとドキドキさせられた。

 こちらで多くの方が上手なレビューを上げている。私もその方々とほぼほぼ同感であるし、私よりもっと伝わると思うので、内容についての私からの詳しい感想を割愛することをお許し願いたい。

 1975年といえば、私は大学生だった。当時はビデオデッキなんて普及していなかった(少なくとも我が家にはなかった)し、レンタルビデオ店もなかった。映画などを観るには映画館に行くしかなかった。実際、学生時代のある時期はほぼ毎週映画館に通っていた。お金は無かったから、いわゆる2番館と言われるロードショーから1~3か月遅れ(時に半年以上遅れ)で上映される比較的安価な映画館で観ていた。

 こちらも洋画ばかりだった。私は、その当時から日本映画は洋画に比べると面白くないという印象を持っていたのだ。日本映画で観たのは、野村芳太郎監督の『砂の器』など数本だ。昨日観た『新幹線大爆破』も観たことがなかった。娯楽映画ではあるが、こんな面白い作品が日本映画にもあったことを知らなかった。後で調べてみると、『月曜ロードショー』等で何度かテレビでも放映されたようだが、すべて見逃していたのだろう。

 『新幹線大爆破』に登場する東海道新幹線は「ひかり」だ。1975年当時はまだ「のぞみ」は走っていない。しかも、「JR」ではなく「国鉄」だ。登場する犯人の脅迫電話は、公衆電話から掛けており、受ける国鉄側の電話は黒電話だ。今の若い人の中には掛け方も分からないというダイヤルを回すタイプの電話。警察の覆面パトカーは、当時人気があったケンメリのスカイライン。高速道路の脇に超高層ビルなんてないし、時代を感じずには居られなかった。

 出演者も高倉健宇津井健丹波哲郎を始め、すでに亡くなった方も多く出ていた。あまり出番は多くなかったが、北大路欣也藤田弓子が若々しく、最初は誰だか分からなかった。まだ20歳の娘さんだった志穂美悦子が映った時には、思わず「あっ!」と声を上げてしまった。(笑)

 これも当然だが、当時はCGもないのに臨場感が溢れているし、スリリングな展開に加えて、人間ドラマもきちんと描かれていた。漫画が原作のちゃちな映画ばかりの最近の日本映画(これも私の偏見)には、もう少し最後まで見飽きない作品を望みたいものだ。『新幹線大爆破』、ツッコミ所も無くは無かったが、実に良い映画だった。残念ながら昨日の放送は録画していない。おそらくDVDで出されているものがあるだろうから、また観たくなったら探してみよう。


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