うがい薬が街から消えた


 午後、いつものようにボーッとテレビを見ていたら、大阪府吉村知事の会見の様子が流れていた。知事は、「ポビドンヨード」が使われているうがい薬が新型コロナウイルス感染症の重症化を抑制したという研究結果について説明していた。

 私は、新型コロナウイルス云々に関わらず、以前から外出先から帰宅した際には、石けんで手洗いをして、うがい薬で必ずうがいをしている。これは夏であろうと冬であろうと欠かした事がない。今後は分からないが、これまでインフルエンザにもかかったことがない。予防接種もしたことがないにも関わらずである。うがい薬は、先日使っている分が残り少なくなっていたので、家内が1本買って来てくれた。

 だから、まだ1本ほぼ丸々残っている。しかし、上の吉村知事の話を見た人が、きっとうがい薬を買い占めようとするのでは、と家内に言うと、「すぐに何本か買うて来たほうがええかなあ」と家内が心配顔になった。これまで新型コロナウイルスでは、トイレットペーパーが世間から消えたり、マスク不足が続いたりしたのに懲り懲りしていたのだ。

 「まあ、どうでもええわ」と言おうとしたら、その前に突然家内が「暑いから、おとうさん行って来てよ」とほざきやがった。

 「なんでやねん。もう、かなわんなあ」と渋々家を出て、暑い中自転車で一番近いドラッグストアに向かった。

 店の前に着いてみると、店横の自転車置き場のスペースがほとんどないほどに自転車がすでに並んでいた。さらに、あとから年配のおばさんが何人か駆け込んで来てもいた。何とか自転車を隙間に割り込ませて、店の中に入りうがい薬の棚を探した。すぐに見つけることができなかった。

 店の中央辺りに“お薬の相談はこちら”という札がある所に店員が居たので、うがい薬の場所がどこか尋ねてみると、「すみません。そこに置いてあるのですが、先ほどすべて完売しました」と言うではないか。

 その店員の手元をふと見てみると、ちょうど『うがい薬は完売しました』とマジックペンで紙に書いている途中だった。最後まで書き終えて、その店員は「みなさん早いですねえ」と感心しているように言い、仕方なく帰ろうと店を出る私の後ろを付いて来て、今書き終えた紙を入り口のガラスドアに貼っていた。

 もう一件、行ってみようと、再び暑い中自転車を走らせた。次の店では、うがい薬がどこにあるのか探す必要もなかった。店に入ってすぐに、レジ前でここでもおばさんが店員にうがい薬のことを聞いているのが目に入り、「すみません。売り切れました」と言う店員の声が耳に入った。

 「店に入って、目に入って、声が入って、うがい薬は手に入らずか、・・・なんてね。」と心の中で呟き、もう他の店に行っても同じことだろう、と諦めて帰って来た。背中が汗びっしょりになっただけだった。

 私はテレビの報道番組でうがい薬の事を始めて知ったのだが、1件目の店でもおばさんの姿ばかりだったし、あの人たちはどこから情報を得たのだろう。まさかと思うが、ネットをずっとチェックしているのだろうか? 「大阪のおばさんは、やはりすごいなあ」と私もまた感心してしまった。

「ポビドンヨード」使用のうがい薬が新型コロナウイルスの感染予防に効果があるとは言っていなかった。陽性の軽症患者が重症化になる率を下げる効果があるようだ、というだけの話だ。それも今後の研究結果を待つ部分も多いに残っているのだ。ニュース記事はこちらこちら

 私は、習慣的にうがい薬を使っているので、店頭から消えることになるかもと予想し、急いで汗を流しただけだ。おばはん連中には勝てなかったが・・・。吉村知事も早まった会見をしてくれたものだ。

あとでツイッターを見ると、「大阪冬の陣、夏の陣、イソジン」と誰かがツイートしていた。上手いこという人もいるものだと、ここでも感心させられた。

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