『徒然草』を読んでみた(その2)

 昨日のつづき。徒然草の全文を読んでみての感想を少々。

 日々少しずつ読んでいて、まず思ったのは、高校の古文の授業は何だったのだろう? ということだ。読み進むうちにその思いは強くなってきた。

先生! こんなにいいものなら、もっと強く生徒に伝えるべきですよ。もっと早く出会いたかったですよ。これまでの人生、ちょっともったいないことしましたよ」と、高校時代の古文の先生(まだご存命だろうか?)に伝えたい気持ちだ。

 しかし、そんなこと言ったら、「勉強しなかった自分を棚に上げておいて、何を言うか!」と先生に叱られるかな? その通りで、ただ板書をノートにせっせと書き写していただけで終わっていた私が悪かったのだろう。すみませんでした。m(__)m

 とにもかくにも徒然草は面白かった。実に面白い。私が言うまでもないが、さすが日本を代表する随筆の一つだ。別の意味で面白かったのは、「これは何のこっちゃや?」というような、何でもない章段もあり、1、2行だけで単なる覚え書きかと思えるような章段もあったことだ。かと思えば、やたらめったら長い章段もあり、文章の流れを理解するのに苦労させられたこともあった。それでも、古い単語の意味するところさえ分かれば、一文一文は簡潔で、言うなればリズム感のある文章で綴られている。

 ふざけて足鼎(あしがなえ;三足の金属製器具。湯を沸かしたりしたもの)を頭に被って取れなくなって大騒ぎした有名な「仁和寺の法師」の話や、夜更けに妖怪に出会って川に転げ落ちた人の話など、笑えるものも多く、そういう章段は楽しんで読むことができた。

 パチンコばかりしていた(コロナ以降は全く止めてしまった。ホントです)私などには身につまされる話などもあった。ただ、人にハッとさせておいたくせに、兼好法師自身は賭け事がお好きなようで、何度も賭け事の話が出て来た。

 あるいは、人の上に立つ者はどうあるべきかを述べた章段もいくつかあった。そういう章段に出くわした時、これは是非ともどこやらの総理大臣に読んでもらいたいという思いがした。

 というように現在にも通じる考えを述べている章段も多く、何度も「うむうむ」と頷かされた。一方、どうもこの考えは違うのじゃないかというようなこと少なくなかった。特に兼好法師は、「結婚は無駄」、「子供も要らない」という考えのようで、実際兼好法師には妻子はいなかったらしいが、それでいいものかとあまり納得はできなかった。それでいて、兼好法師はひょっとして女性が好きなのでは、と思われる箇所があるのには首を傾げてしまった。

 人間はどうせ死ぬのだからジタバタするなと言ってみたり、ヘンなところにこだわりが強かったり、小難しいことを言ったりするのに、賭け事や女性がお好き(?)にも思えるし・・・。うーん、兼好法師という人物は、何だかよく分からぬお人だ。そんな人に、私は大いに惹かれてしまったことも否定できない。

 徒然草には、兼好法師自身の経験から得た考えが随所に語られており、誰々が何をしたというような逸話などが多々ある。鎌倉幕府から室町幕府に変わるまでの動乱期に兼好法師は生きていたのにも関わらず、そんな時代から距離を置いた視線で徒然草は綴られている。

 もしも兼好法師が現在の世に生きていれば、それこそ、つれづれなるままにパソコンに向かってキーボードを叩いていたに違いない。徒然草は14世紀のブログであり、兼好法師は14世紀のブロガーだ。そんな思いもしてきたのである。

 一通り徒然草を読み終えて(せっせとコピペしていただけだが)、今は充実感に浸っている。徒然草は、私にとって得るところが実に多かった。昨日も言ったが、もう少し深読みする必要も感じている。


 さ、次は『方丈記』か『枕草子』に挑戦しようかな? 『方丈記』は全文でも多くなさそうだが、『枕草子』は手強そうだぞ。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 5

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
面白い
ナイス

この記事へのコメント