最近読んだ本(98)――矢月秀作『もぐら』

 古本屋で(新刊本を買うほどお金がないので)何か面白そうなものはないかとうろうろした後、4冊の文庫本を選んでレジに並んだ。それは緊急事態宣言前で店も営業していた頃。しかし、その本を机の上に積んだまま読まずにいた。何となく読む時間を作らなかっただけ。特に理由はなかった。先週末にやっとその中の1冊を手にとって読み始めたのが、この『もぐら』だった。読み始めてみると、これが実に面白い。本を読むスピードがそれほど速くない私であるが、あっというまに読み終えてしまった。

 文庫本のカバー裏の紹介文を勝手ながら引用しておく。
かつて警視庁組織犯罪対策部に属していた影野竜司。彼はある事件で相棒と愛する妻、娘を失い表社会から姿を消した――。十年後、竜司は闇社会で“もぐら”と恐れられるようになる。警察には相談できぬ事件を請け負い、暴力を厭わず、超法規的に過激な手段で解決するトラブルシューターとして。

 いやあもう暴れる暴れる。主人公の影野竜司が、である。相手の頬骨や歯を砕き、腕をへし折り、次々と倒して行く。ホント、「どれほど強いねん」とツッコミ入れたくなるほどやたらめったら強い。

 バイオレンスというかハードアクションというか、そんな類いの小説であり、古くは高倉健さんの映画、ちょっと新しくてシュワちゃんの映画でも観ている感じだった。映像が頭の中で次から次へと浮かんで来た。

 あるいは、薄っぺらい劇画でも読んでいるようにも思えなくもなかったが、鬱陶しい事ばかりの最近であるから、たまにはこれくらい分かりやすいものを読んで気分転換にはなった。

 上で「映像が・・・」と言ったが、私は頭の中に映像をイメージして小説を読み進めるのが常である。中には映像が浮かびにくいものもあるが、そのような時は読む速度がいっそう落ちるのである。

 今作の登場人物については、オールバックの男、金髪の男、スキンヘッドの男等々、なんだか頭の姿形の表現だけだったが、どんな人間なのか勝手にイメージして読んでいた。ただ、主人公の影野竜司だけは、その人物像がなかなかイメージしにくかった。と言うのも、影野竜司について、体型なり顔つきなりの表現が全くなかったのだ。

 時に小説を読んでいて、登場人物に俳優なりTVタレントをその役に当てはめてみたりもするが、この影野竜司だけは、誰も浮かばなかった。ひょっとしたら自分をその役に置き換えて読んでいたのかも知れぬ。・・・いやいや、そんな馬鹿なことはない。私は全く強くないし、少しもたくましくない。私なら最初の場面で簡単に殺やられておしまいだ。3ページで話が終わってしまう。(笑)

 矢月秀作という作家の本を読んだのは初めてだったので、先ほどネットで検索してみた。この『もぐら』という小説は、私は知らなかったが、シリーズ物の第一作であり、そこそこのベストセラーになったようだ。続編も何冊か出ているようなので、また古本屋で探してみるとする。


「最近読んだ本」というテーマを付けてブログでレビューみたいなものをアップして来て、今回で98件目。100件になったら、これもおしまいにしようかなあ。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 5

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
ナイス ナイス

この記事へのコメント

2020年06月04日 12:39
えっ、やめんといてくださいよぅ~~
こちらで紹介されている本を読みたくなってる人が
何人もいると思いますよ!
かくいう私もその一人ですが(^。^)
ゲコゲコ
2020年06月04日 17:44
>はろ(旧ぴよ) さん
おほほほ。(^^) 冗談です。・・・かな?
でも、こんな私の記事なんてアテにせんと、しっかり良い本を探してください。

ぴよさんには、はるか昔からお世話になっておりますし、いつも嬉しいお言葉をありがとうございます。

たいへんな時ですが、ご活躍のこと、頑張ってください。