最近読んだ本(80)―― 堂場瞬一『複合捜査』

 前回に続いて堂場瞬一氏の小説。しかも、裏表紙の解説に前回の『検証捜査』の姉妹編とあった小説で、当然ながら堂場氏得意の警察ものです。

 姉妹編ということですが、登場人物は『検証捜査』と同じではありません。桜内という刑事ひとりを除いては。その桜内刑事、今作では主人公である若林警部と若手刑事の板挟みで苦労が絶えないというような存在になっています。

 なぜ板挟みなのかと言いますと、主人公の若林警部は、埼玉県警が試験的に運用を始めた夜間緊急警備班の班長なのですが、これが極端に仕事の虫と言うか、正義感が行き過ぎていると言うか、自分のやり方しか認められない性格で、部下を信頼しきれず無能扱いしているような人物です。当然若手刑事からは煙たがられています。そんな若手刑事と傲慢警部との仲立ちをするのが桜内刑事という役どころになっています。

 そんな班長の率いる警備班が、ある夜、連続放火事件に振り回されます。さらにそれに続く殺人事件。もちろんこういった小説で、関連性のない事件など起きるはずもなく、それぞれの事件は繋がって来るのですが、さて犯人の犯行の目的は何なのか? そして犯人はどんな人物なのか? その謎解きがこの物語の中心となっています。

 前回読んだ『検証捜査』は、ちょっとがっかりした部分もありましたが、それに比べると今作のほうが断然面白かったです(私的にはですが)。前半では警備班の刑事たち同様に、どうも好きになれなかった若林警部ですが、物語が進むにつれ、応援したくなって行きました。

 警備班は夜間の事件発生時に初動捜査に出るだけで、実際の事件解決のための動きをするのは所轄署だったり本署の刑事たちであったりするわけで、若林警部たちの出る幕はないのです。ただ、そんな役割分担は全く無視で若林警部は動き回るのですがね。そんな警部に頑張れと言いたくなりましたね。最後の“捕り物”劇も映画を見ているようで面白かったです。

 これは本作とは全く関係のない話ですが、作者の堂場氏は、今年日本一になった北海道日本ハムファイターズの栗山監督と親しい間柄らしいです。先日朝のラジオに出て居られて、そんなこと言ってました。はい、どうでもいいことですが。(^^ゞ



複合捜査 (集英社文庫)
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2014-12-16
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