最近読んだ本(71)――誉田哲也『ブルーマーダー』

 映画にもなった『ストロベリーナイト』の“姫川玲子”のシリーズ物の一冊。このシリーズ、テレビドラマで放送されていた時にちょっと見ただけで、映画もテレビで放送されたときにみただけ。本を読むのは初めて。

 一旦映像化されてしまうと、その原作は滅多に読まない私。この『ブルーマーダー』はまだ映像化されていないはず。読むのだったら今のうちと書店で手に取った。

 物語は東京池袋の雑居ビルの空き室で、全身20カ所も骨折した暴力団組長の死体が発見されるところから始まる。池袋署の刑事となっている姫川玲子は、ひょんなことから裏社会を恐怖に落とし入れている「ブルーマーダー」と呼ばれている“怪物”の存在を知る。次々と殺人を繰り返すこの殺人鬼の正体は? そして姫川玲子を始め警察はこの“怪物”とどう立ち向かって行くのか?!

 最初の方は、なんだか取っつきにくい感じで読んでいた。誉田氏の作品を読むのが初めてであったため、その独特の物語の進め方に私が慣れていないせいもあったのだろう。

 話は警察側と犯人側とに分かれて展開して行くが、犯人側からの話になったときには一人称で書かれ出したり、突然ちょっと過去に遡って語られていたりするところもあり、それは筆者が意図してある種の効果を狙ったものだろうが、「これから遡ること○時間前」だとか、「○日前」だとか一言入れるか、順追って話を進めてもらわないと、読解力に乏しい私にはいささか戸惑うところがあった。

 シリーズの前の作品はテレビで見ただけで、登場人物の名前も覚えてはいない。だから登場人物の過去の作品での話を持ち出される場面がいくつか出てくるが、私には全くピンと来なかった。シリーズ物は最初の作品からしっかり読んでくれということだろうか? 無くてもいいようなエピソードは不必要じゃないかと思ってしまった。

 なんだか文句ばかり言ってしまったが、総じて実に面白い作品だった。途中からぐいぐいと物語に引き込まれてしまった。この後の展開はどうなるのか、実に気になるのだが、通勤電車の中で読んでいて、降りるべき駅に着いてしまったときのもどかしさも感じながら、読み進めて行った。そして最後に……。おっと、ここはネタバレになるから言わないでおきます。

 登場人物は皆個性的で、警察官ってこんな人ばかりなのかと思ってしまうほど、各人非常に魅力のある人物で、それを表現する誉田氏の筆力にも感嘆ものだった。

 このシリーズ、次の作品は短編集らしい。短編より長編で発刊されたら是非読んでみたいから、是非長編の新作を期待する。



ブルーマーダー (光文社文庫)
光文社
2015-06-11
誉田 哲也

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ブルーマーダー (光文社文庫) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル




ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 2

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック