最近読んだ本(68)――東野圭吾『ナミヤ雑貨店の奇蹟』

 なんだかんだ言って、またもや東野圭吾氏の本を読んでしまった。最近は外れが多い氏の作品ですが、これは非常に良かった。東野作品はやっぱりこうでなくちゃね。

 物語は第一章から第五章まで5つに別れている。まず第一章では、ちょっとした悪さをした3人組が、深夜に今は商いをしておらず古いあばら屋となった雑貨店に逃げ込むところから始まる。朝までそこで隠れていようという考えだったのだが、その誰もいないはずの店のシャッターの郵便口から一通の手紙が落ちて来たのを見つける。

 彼らは何気なくその中身を読んでしまう。そこには匿名の差し出し人から相談事が書かれてあった。一方部屋にあった古い週刊誌に悩み相談に乗ってくれる雑貨屋が紹介されている記事を目にした彼らは、自分たちが逃げ込んだ家こそその雑貨屋であったのではと、舞い込んだ相談の手紙に面白半分に返事を書くのだが……。

 実はその手紙は過去から投函されたものだった。物語は現在と過去が折り重なってややこしく展開して行く。5つに別れた章では、それぞれ別のエピソードが語られて行くのだが、それぞれが絡み合って繋がっている。前の章が後の章の伏線になっており、その伏線がまた次の伏線となるという構成。この不思議な雑貨店、そして第二章で出てくる児童養護施設もまたそれぞれのエピソードに繋がって来る。

 人は誰しも多かれ少なかれ、大きかろうが小さかろうが、何らかの悩みを持っている。それを解決するのは他人じゃない。結局自分自身で解決しなければならない。しかし、相談に乗ってくれる人がいるのと、自分一人で悩み続けるのでは大きな差があろう。話を聞いてもらうだけで悩みの8割は解消するものだと、誰かがどこかで言っていたが、そういうものかも知れない。

 うがった見方をすれば、すべて結果論で都合よく話ができているとも言えなくもないが、読後は心が洗われると言うか、ほっこりとした気分になった。私はこういう話は大好きだ。東野氏がじっくりと練った話だろうと想像できる。東野氏のストーリーテラーぶりが発揮された作品だ。



ナミヤ雑貨店の奇蹟 (角川文庫)
KADOKAWA/角川書店
2014-11-22
東野 圭吾

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