最近読んだ本(64)――東野圭吾『マスカレード・ホテル』

 もう何冊目だろうか、東野圭吾氏の小説を読むのは。売れっ子になってしまい忙しいのか、決して手抜きしている訳ではないだろうが、最近の作品は以前ほどワクワク感が少ないように感じているが、結局また本屋さんで氏の本を手にとってしまった。

 今度の作品はまた以前のように、さあ楽しませてもらおうか、と期待して読み始めた。何だかんだ言っても氏の話が好きで期待してしまう。で、結論から言うが、はっきり言ってがっかりだった。

 話は東京都内で連続殺人事件が起きるところから始まる。しかしそれぞれの被害者に共通点がなく、容疑者が絞られない。ただそれぞれの事件に暗号とも言える数字が並んだメモが残されていたから連続殺人事件として捜査が行われる。そして、その暗号から警察は、次の犯行場所が都内の一流ホテルであることを突き止める。

 次の犯行を阻止し、犯人を確保すべき捜査員がホテルマンに化けて潜入する。そのひとり新田浩介刑事はフロントクラークに扮して捜査に当たる。客からはホテルマンでないことを知られないように、女性フロントクラークの山岸尚美にホテルマンとしての教育も平行して受けることになる。次から次へと怪しげな客たちが訪れるが、事件の犯人だと断定するまでには至らない。

 話の展開としては、大きなひとつの謎を追いながらも、毎週ゲスト登場人物が出演して、ひとつひとつの異なるエピソードで続いていくというパターンのテレビドラマのような感じ。東野氏の作品は多くドラマ化されているが、この作品は最初からそれを狙っていたのではと勘ぐってしまった。

 若い刑事と気の強いヒロインが牽制し合いながら事件を追い、次第にお互いを認め合って行くという、最近こんなドラマ見たような気がする。刑事の上役には物わかりの悪いイライラする人物を配し、脇役に渋い刑事を持ってくるというそのキャラクター設定はホントのTVドラマに有りがち。

 東野氏の作品は面白いから、ドラマや映画になるてなもんで、作者からそちらに近づいて行くこともなかろうに。これまで数多く東野氏の作品を読んで来たが、これはいよいよ東野圭吾からの脱却を図る時が来たようだ。今作品も氏のストリーテラーの面目躍如というところで部分部分では面白いところもあったのだが、がっかりさせられ部分も多かった。残念。



マスカレード・ホテル (集英社文庫)
集英社
2014-07-18
東野 圭吾

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