最近読んだ本(60)――佐々木譲『警官の血』

 前回に続いて、文庫上下巻に別れた大作。しかし、前回読んだものとは比べものにならない読み応えたっぷりの話でした。帯に「『このミステリーがすごい』第1位」とあったのも頷けました。

 物語は、終戦後間もない頃から現代まで3代にわたって警官となった男たちの人生を、その時代時代の世相を交えながら、様々なエピソードを織り交ぜて語られて行く、三部構成のまさに大河小説。

 第一部は戦後まもなく警官となった安城清二という男の話。復興途上の東京上野公園界隈の出来事が中心。清二は派出所勤務から駐在勤務になる。街でも評判の駐在さんになった清二は、あるふたつの事件の謎に自ら迫ろうとするのであるが……。

 第二部は、父清二の背中を見て育ち、自分も警官になった民雄の話。重大な任務遂行の後、その緊張感が原因と思われる精神的な病いに悩まされ、やがて父親と同じ駐在所勤務になるのだが……。

 第三部は祖父、父の跡を継ぐ継いだ和也の物語。和也もまた難しい任務につくのであるが、やがて祖父、父の残した謎を解明すべく動き出す。しかし……。

 それぞれの部は独立した物語ではあるが、縦軸となるのは第一部で起きる事件の謎である。60年の歳月をかけて、三代目和也が辿りついた衝撃的な事実とは……。

 「……」ばかりですみません。いつものようにネタバレになるので、ここでそこに触れる訳には参りませんので。

 ともかく人物の描写が素晴らしい。親子三代に渡って警官になった一家のその職務への忠誠と葛藤が見事に描かれ、無駄のないストーリー構成にも感心し、ある種感動も味わえる内容でした。最近イマイチの本ばかり読んでいたので、今作はじっくりと楽しむことができました。まだ何冊か今年中には読むでしょうが、この小説は自分が今年読んだ中でベスト3に入ること間違いなしですね。



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