最近読んだ本(57)――堂場瞬一『邂逅』

 “警視庁失踪課・高城賢吾”シリーズの3作目。実は、先の『相剋』を買った時、もう1冊買ってありました。高城賢吾シリーズは、次ぎの作品も文庫本で出ているようですが、それはまた本屋さんで目にすれば買おうと思っています。

 今回の『邂逅』は、ある大学の理事長が失踪したと母親から捜索願が出されれるところから始まります。しかし捜査を始めるとその母親の態度は一変。捜査に非協力的で挙げ句の果てに捜索しなくてもいいと言い出します。それでも高城刑事は納得できないと非公式に捜査を続けます。これは先の『相剋』と似たパターンですが展開は全く異なります。そりゃそうだ。同じような展開の話ばかりでは、私も続けてこのシリーズを読む気が起きません。

 行方不明の理事長の足取りが解り掛けた頃、何の前触れもなく突然に当の理事長が何事もなかったように姿を現すのです。さて真相は、というのが大きな話の流れです。

 一方、例によって他の事件の謎も絡んで来ます。その事件を担当していたのが、高城刑事と同じ失踪課の法月(のりづき)という定年間近の刑事。法月刑事は心臓に病をかかえ無理できない身体なのですが、何故かムキになって、自分の身体を苛めるように捜査に向かいます。その身体を気遣う高城刑事も話の一方の流れとして語られて行きます。

 高城刑事は昔、幼い娘を亡くしています(正確には突然失踪して行方不明ということになっています)。それが切っ掛けで離婚してのひとり暮らし。「酒に逃げ、捜査一課から暇な所轄に回された。それから酒への逃避はさらにひどくなり、仕事に差し障るぎりぎりまで落ちてしまった(文中より抜粋)」。高城刑事はそんな男です。

 事件解決が主題であることはもちろんなのですが、前作に続いて刑事たちの生き様を描いた“警視庁失踪課・高城賢吾”シリーズは、事件の謎の解明だけでなく、読み応えのあるシリーズです。


邂逅―警視庁失踪課・高城賢吾 (中公文庫)
中央公論新社
堂場 瞬一

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 邂逅―警視庁失踪課・高城賢吾 (中公文庫) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

なるほど(納得、参考になった、ヘー)

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック