最近読んだ本(53)――堂場瞬一『蝕罪』

 秋の夜長に本でも読むとするか、という季節でありますが、最近本を読むペースが遅くなっています。通勤電車の中の短い時間だけが読書の時間になってしまい、月に一冊でも読めればいいほう。前回ブログに記事にした本から3か月も経ってしまいました。

 いや、実はこの間に2冊ほど読んだのですがね。全く面白くも何ともない本だったので、記事にはしませんでした。ここ何年かは、ほとんど有川浩や東野圭吾の小説ばかり。以前にも言ったことがありますが、そろそろ他の作家への脱却をと思っているのですがねえ。なかなか自分が興味を持てる作家に出会えなくて……。

 そんな折、古本屋さんで(最近は古本しか買えなくて……)目にしたのが、堂場瞬一という作家の名前。実は始めて目にした名前(有名な作家さんなら申し訳ないです。私が知らなかっただけです)でしたが、シリーズになっているのでしょうか、何冊も棚に並んでいました。もし面白かったら、他の作品も続けて読むつもりでその中の一冊を買って帰りました。それが今回の『蝕罪』です。

 さてその内容については、いつものようにネタバレにならないように、簡単にしか述べませんが、ご了承を。

 警視庁に新たに設けられた失踪人捜査課に配属されてきた刑事・高城賢吾は、働き盛りであるはずの40も半ばを過ぎようとしているなか、仕事に情熱を見出せず、酒におぼれる毎日を過ごしています。話の出だしから、ひどい二日酔いで新しい職場に出向いて来るところから始まるのです。

 この失踪人捜査課は、実は「使えない」警察官の吹き溜まりみたいなところだったのです。そんな課に結婚を間近に控えているのに失踪してしまった青年の捜索依頼が回って来ました。

 あまり乗り気ではない捜査に高城刑事は、同様にこんな失踪人の捜査なんかするために刑事になったのではないと思っているような女性刑事・明神愛美(みょうじんめぐみ)とコンビで担当することになります。明神刑事はさっさと片付けようとするのですが、高城刑事は、失踪者の年の離れた幼い妹に、自分の娘(過去に何かあった。敢えて述べません)が重なり、この捜査に次第に熱が入って来ます。そして、事件は思わぬ方向に……。そうですね。思わぬ方向に進まなくちゃ小説として面白くないですからね。

 平易な文章で読みやすいけれど、奥の深い話の展開。凝ったトリックもないし、びっくりするようなどんでん返しもありません。事件解決へ向けて一歩ずつ進む地道な捜査。それでいてクライマックスは映画を見ているようで、なかなか良かったです。個性豊かな登場人物(豊か過ぎる?)は魅力がありますし、何と言っても高城刑事の人間としての言葉と行動には惹かれました。

 満足できる一冊でした。巻末の解説を読んでみると、やはりシリーズ化されているようで、また古本屋さんに行くとします。


蝕罪―警視庁失踪課・高城賢吾 (中公文庫)
中央公論新社
堂場 瞬一

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この記事へのコメント

ぴよ
2013年11月16日 11:34
ゲコゲコさん、こんにちは~。
堂本光一かと思いきや、堂場瞬一とは…
間違って買ってしまうジャニーズファンはいないかな(^。^)

わたしもよくアマゾンで古本買ってます。(主にゲコゲコさんのところから)
古本屋さんも行きますしね。
神戸の三宮にある、有名な老舗の海文堂っていう本屋さんがお店をたたまれましたけど、本屋さんの経営が苦しくなるのも頷けますね。
ゲコゲコ
2013年11月17日 22:54
>ぴよ さん
毎度お買い上げありがとうございます。
最近、絵本を買っていただいている方がおられるようで、やはりぴよさんでしたね。
ホントにありがとうございます。
海文堂、名前だけは見聞きしたことがございます。
古書を扱っているお店だったのでは。
古書と古本は似ていますが違うものですね。
電子ブックなども出揃って来ましたし、出版業界も変わって行くでしょうね。

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