最近読んだ本(51)――有川浩『図書館革命』

 “図書館戦争”シリーズの4作目にして、最終巻。ホントは3作で終了させるつもりだったとのことで、おまけのようなものかと思ったら大間違い。これまで以上でした。最高でした。

 これまでの3作品は、いくつかのエピソード(独立はしているが、すべて繋がっている話)で構成されていました。今4作目は、プロローグから始まり1~5章、そしてエピローグと分けられてはいますが、ひとつの話の構成になっています。

 まず、図書館とは関係なさそうな事件から物語は始まります。それは、福井県の敦賀原発がテロに襲われるという、ある意味福島原発の事故以前に書かれた話で良かったとも言える事件が起きます。主人公の笠原郁が所属する図書隊からはずっと離れた所の事件で、郁も報道されるテレビ画面に釘付けという、普通の(?) 状態でした。

 ところが当麻蔵人(とうまくらと)という作家の作品の内容が、このテロに酷似しているとされてしまうのです。当麻の作品を模範にテロが起きた可能性があり、今後も真似されるかも知れない。こういう作品は取り締まるべきだ、さらにそういう作品を世に出す著者も取り締まるべきだとする良化委員会と、表現の自由を守ろうとうする図書館との戦いが始まります。

 郁のひょんな発言が切っ掛けになり、図書隊は当麻を守るべき秘策を打ちます。激しい攻防が繰り広げられ、その最中に郁の上官の堂上は重傷を負ってしまいます。

 さ、ひとりで当麻を守り抜く任務を遂行しなければならなくなった郁は……。

 物語の後半は固唾を飲んで郁の活躍を見守らなくてはならず、読んでいるこちらもドキドキはらはら。息を尽きせぬ展開。そして郁の恋の結末は?

 作者は、この“図書館戦争”シリーズを通して何を訴えようとしたのか。それは、不当な検閲によって表現の自由を奪われることの危険性か? いや、そんな難しいことはどうでもいいですね。単純に且つ純粋に本が自由に読めることの素晴らしさを今更ながら気づかせてくれた作品でした。

 そして、若い人たちの生き生きとした活躍。ほんのり甘い場面場面。ちょっぴり笑え、ちょっぴり泣ける。これほどまでに感情移入させてくれる作品は、過去に読んだ本の中でもそう多くはなかったです。まんまと有川氏にはめられてしまいました。先の3作品を読んでいない人には、そこまで感動はないかも知れませんので、もし読まれる方がありましたら、順に1作目から読まれますようお薦めします。


 これは余談ですが、この春からテレビで放送されていたドラマに『空飛ぶ広報室』というのがありました。私は初回から最終回まですべて見ましたが、このドラマの原作も有川氏でした。実は私、ドラマの3回目くらいまで有川氏の原作だとは知らなかったのです。もちろん原作を読んだこともありません。ただ、登場人物の台詞回しを始め、登場人物の生き生きとしたところなど、ドラマの雰囲気にどこかで感じたことがあるなあ、と思いつつ見ていました。3回目くらいになって初めてドラマの終わりのテロップに有川氏の名前を見つけて、ああそうだったんだ、と納得した次第です。

 『空飛ぶ広報室』、今度は原作を読んで見たいですが、ドラマに出演していた俳優さんの印象が残っているので、今は本を読むのに躊躇しています。『図書館戦争』は映画になりましたが、私はまだ見ていません(もう公開は終わったかな?)。それでも予告編などテレビCMを見たせいで、本を読んでいて岡田准一さんと榮倉奈々さんの顔が頭に浮かんで、邪魔だったです。映像を見てから原作を読む、原作を読んでから映像を見る。どちらのパターンでも人の好みでしょうが、私は絶対“原作が先”派ですね。



図書館革命 図書館戦争シリーズ4 (角川文庫)
角川書店(角川グループパブリッシング)
2011-06-23
有川 浩

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