最近読んだ本(47)――宮部みゆき『誰か Somebody』

 売れっ子の作家でありますのに、宮部みゆき氏の小説を読むのは初めてです。数ある氏の作品の中から、本屋さんでこの本を選んだのには、特に理由はありません。面白いかなとなんとなく手に取って、そのままレジに持って行ってしまっただけです。

 さてこの『誰か』という作品、全体的に地味と言っては語弊があるかも知れませんが、まあそんな感じです。文章は解りやすく、登場人物の描き方もしっかりしてますし、無理のない構成。さすが様々な賞を取られている作家さんです。他の氏の本を読んでいないのにこんなこと言えないですが、「宮部みゆき」って人は、こういう本を書くんだなあ、うむうむ……、てな調子で読み進みました。

 物語は、ある大会社の会長の運転手が事故死するところから始まります。主人公はその会長の娘婿であり、同会社の広報誌の編集をしている4才の娘がいる至って普通の男性です。

 その男性が、会長の計らいで亡くなった運転手の娘姉妹の相談に乗ることになります。姉妹は自分たちの父親の人生について書いた本を出版したいと言うのです。まだ見つかっていない加害者を見つけ出す切っ掛けにもならないかというのが姉妹の考えでした。

 ただ、積極的な妹に比べて、姉は出版にはあまり気乗りしていません。姉には幼い時に妹の知らない怖い体験(誘拐監禁されるという)があったのです。父親の死は単なる事故死ではないかも知れないと怯えています。

 主人公の男は、運転手の過去の生活を調べる家庭でその事件についても迫って行きます。果たして真実は? 運転手の事故死とどんな関係が……、というのが大まかな物語の流れです。

 その真実は最後のほうで明白になります。ならなきゃ物語が終わりませんよね。(笑) しかし、その後で新たな展開の話が続きます。どうもこの後の話が私個人的にはどうかなあと思ってしまいました。謎が解けてスッキリしたいところでのモヤット感。宮部氏の他の作品もこんな感じなのでしょうか? もう何冊か読んでみなければ解らないでしょうが、次ぎはすんなりと本屋さんのレジに氏の本をだすことができるかどうかは自信ありません。


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この記事へのコメント

TAKA
2013年01月27日 01:10
大変参考になりました。宮部女史の小説は気になっていました。先日、古本屋で女史の最高傑作と呼ばれた「火車」のあらすじを読みましたが、どうも僕には合わないようで。

最近は、伊坂幸太郎氏の「死神の精度」を読んで、この作家が凄く好きになりました。何というか、阪急電車(有川浩)や空中ブランコ(奥田英朗)同様に、映像ではなく小説で読むからこそ面白いだと思えるタイプの本だと思いました。
ゲコゲコ
2013年01月27日 09:54
>TAKA さん
私の感想文ではそんなに参考にはならないでしょうに。(^^ゞ
また私の知らない作家さんです、伊坂幸太郎さん。
学生の頃から随分本を読んで来ましたが、まだまだ知らない作家がいます。
ちょっと読むスピードを上げないと、読まずに終わってしまう本が出そうです。
って、死ぬまで世界に出回るすべての本を読むつもりかい!
TAKA
2013年01月27日 17:08
ゲコゲコさん、作家も世代交代が激しいのですかねえ?僕なんて、最近まで小説を読んだことなかったから知らない人ばかりですよ(笑)。まあ反対にそれが新鮮ではあるのですが。なので、今はネットを利用して色々と情報を掴んでから中古本を購入しているというところです。

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http://kuchiran.jp/enta/sakka.html

宮部みゆき女史の人気は凄まじいですね。あと東野圭吾氏の「白夜行」「容疑者Xの献身」、貴志祐介氏の「黒い家」「悪の経典×2」、有川浩女史の「レインツリーの国」「図書館シリーズ×6」、筒井康隆氏の「七瀬シリーズ×3」「旅のラゴス」は、チェックしています。ではまた、レビュー参考にさせて頂きます。
ゲコゲコ
2013年01月27日 22:31
>TAKA さん
役立つサイトの紹介ありがとうございます。
今後参考にするとします。
人気の作家は、何故人気があるのかと言えば、要因は色々とあるでしょうが、第一にそれはもう「面白い」ということに尽きるでしょうね。その面白さが、現在にマッチしているということでしょう。
面白くても、時代に合っていなければ、小説にしたって映画にしたってヒットはしないでしょう。
逆に、小説や映画などから時代が作られるということも多々あることですがね。

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