最近読んだ本(46)――有川浩『図書館戦争』

 有川浩氏と東野圭吾氏の小説を交互に読んでいます。で、今回は有川浩氏の『図書館戦争』。氏の名前を一躍有名にしたこの小説は以前から知っておりましたが、なかなか本屋さんで目に触れる事がなかったため(私の目に入らなかっただけ?)に、読む機会がなかったのです。

 しかし、映画化されたものが今年のGWに公開されると知って、映画を見る前に本を読まなくちゃと本屋さんを探して手に入れました。映像化されたものを先に見てしまうと、本を読む気にはなかなかなれないのです。東野圭吾氏の『麒麟の翼』も読みたいと思っていたのに、先に映画を見てしまったので、ついに本は読まず仕舞いになっています。

 さてこの『図書館戦争』は、またしても有川氏の独特の突拍子もない世界が舞台です。何しろ、図書館に武装した図書隊なるものが存在し、メディアの良化を目的とし、公序良俗に反する書物・映像作品などを取り締まる(時にそれは過剰な取り締まりであったりする)メディア良化委員会なるものと武力を持って争っているという世界なのです。

 こんなことあるはずもないというのは、前に読んだ『空の中』、『海の底』にも通じる世界なのですが、その2作品も今回の『図書館戦争』も、全く現実離れした話だとは感じさせません。落ち着いて考えればあり得ない出来事なのですが、そう感じさせないのはいずれの作品でも登場人物が実に生き生きと描かれているからでしょう。

 まず本作品の主人公の笠原郁(かさはらいく)という女子隊員、彼女の不器用ながらも溢れる情熱を持って任にあたる姿には清々しく思わずにはいられません。何故、彼女は愚直なまでに頑張るのか、それは彼女自身が高校時代に助けられた図書隊員に憧れて自分も隊員になったことに由来するのですが、隊員になった後もなかなか彼女の言葉を借りればその「王子様」に巡り合うことはできません。それもそのはず、その王子様は……。おっとこれはネタバレになるので述べられませんね。

 彼女を取り巻く同僚や上官も愛すべき人ばかりです。映画化されて、それぞれの役をどなたが演じるのか、非常に興味があります。私の印象とかけ離れていても違和感が出てしまうかも知れませんが、私の印象通りの役者さんであっても、それはそれでちょっとどうかなという気もしますね。

 どの有川氏の作品にも通じる平易であるのに生き生きとした文章に綴られた生き生きとした登場人物たち。笑える場面、痛快な場面、そしてほろりとする場面が、盛りだくさんのエンタテイメント作品。今回もお腹いっぱいになりました。



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この記事へのコメント

TAKA
2013年01月07日 00:50
有川さんの代表作のようですね。また彼女の作品は読んでみようと思います。東野さんの作品では中古で売られていた探偵ガリレオを手に取ってみましたが、短編集になっていて読みやすかったです。元々、神話や神道が好きだったのですが、最近は小説も宝探しみたいで面白いと思うようになりました。一番始めに読んだのは谷川流さんのあのライトノベルの名作ですが、すっかりあの世界観に嵌まってしまい、今度は小説にも興味を持った次第です。今は色んな人のを読んでみたい。
ゲコゲコ
2013年01月07日 15:25
>TAKA さん
神話も面白いですねえ。
私は小学生の頃、小学生向けに書かれたギリシャ神話の本を読んで、星座とか天体に興味を持ちました。
いい本には、若いときに出会うべきだと思いますね。
ま、いくつになっても、面白いものは面白いですが。
谷川流さんの本は読んだことないです。一度探してみましょう。

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