最近読んだ本(45)――東野圭吾『聖女の救済』

 ガリレオこと物理学者の湯川学が活躍する話。『容疑者Xの献身』に次ぐガリレオシリーズの長編。

 あるIT企業の若き社長が自宅で毒殺された。ところが、その毒物の混入方法が解らない。殺された男から離婚を迫られていた妻に容疑がかけられるが、彼女には鉄壁のアリバイがあった。捜査は難航する。担当刑事から相談を受けた湯川学は、完全犯罪に立ち向かうことになるが……。

 今までに類を見ない殺害方法。果たして実際にそんなことが可能なのか。もしできるなら、まさしく完全犯罪。湯川学の推理だけではどうにもならない。容疑を決める確たる証拠は……。

 まだお読みでない方は、是非、最初から一文も読み落とさずに読まれる努力を惜しまないように。湯川と容疑者の戦いは、容疑者の根気と読者の根気との戦いでもあるかのような作品でした。一文でも読み落とすと、「ああ、あの時の……」ということに気付かず、面白さが半減してしまいますよ。ま、これはどの推理小説を読む時の心得でもありますが、特に東野圭吾作品を読む時には注意したいところです。

 いやあホント最後まで読むのには根気がいりましたねえ。場面が次々と変わるような展開もなく、淡々と話は進んで行きます。悪く言えば、東野氏には珍しくキレがないように感じてしまいました。早く出て来て欲しい湯川学も3分の1くらい読んだところでようやく登場でしたからね。

 ガリレオシリーズは、短編のほうが私は好きかな? バシッとトリック解明となりますからね。前の『容疑者Xの献身』はさすが直木賞作品で、読み応えがありましたが、この『聖女の救済』は、前作にくらべると私的にはちょっと物足りなく思えました。当代切っての名ストーリテラー東野圭吾にとってはどうかなあという感じが否めませんでした。言い過ぎかも知れませんがね。これまで数多くの氏の作品を読ませていただいて来ましたが、そろそろ潮時かなあ、なんて思ってしまいました。まあ、私個人の感想ですし、ちょっと残念という読後感だったという程度です。



聖女の救済 (文春文庫)
文藝春秋
2012-04-10
東野 圭吾


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