最近読んだ本(43)――有川浩『三匹のおっさん』

 久し振りの読書感想。いや、実はこの本までに3冊ほど読んだのですがね。どれもこれも今ひとつ面白くなく、ここに記事を上げるほどでもないかな、と思ってしまったもので……。

 3冊ほど読んでいたのは、誰のどんな本かとは敢えて言いません。結局、私が読んでいて面白いのは、東野圭吾氏か有川浩氏の小説ということになってしまい、今回も有川浩氏の作品です。

 『三匹のおっさん』は、還暦を迎えた3人の幼なじみが活躍する話。第1話から第6話までの6つの作品が入っています。

 この3人のおっさんたち、還暦くらいでジジイの箱に蹴り込まれてたまるか、と自分らで町の安全を守ろうなんて思いついて自警団を結成するのですね。ある小さな事件がきっかけでそんなことをする事になったのですが、一応腕には自信がある3人なのです。ひとりは剣道の達人のキヨさん。ひとりは柔道の達人のシゲさん。そしてもうひとりが機械いじりの頭脳派でスタンガンなんて危ないものをより強力に改良して、いわゆる武器として持ち歩くという危ないノリさん。

 この3人組に、キヨのお孫さんやノリの娘さんたちも巻き込んで痛快な活躍を見せて行くのです。時に若い者からカツアゲをするちんぴらを懲らしめる。詐欺男をやっつける。痴漢を撃退。いかがわしい商売をしている業者を町から追い出す。などなど。

 どれもこれも、普通なら警察とかに連絡してそれまでというような事だが、この3人のおっさんたちは、自分らで解決してしまうのです。それも非常にスッキリと。悪漢たちも、こりゃかなわんと尻尾を巻いて逃げて行く。

 痛快且つ爽快、さらに愉快、快感、軽快……。他にも「快」のつく熟語があれば、いくらでも並べたいです。語彙力のない私にはこれくらいしか思いつきませんが、いくらでも並べたくなるくらい「快い」話でした。

 でも、ただただ痛快で面白いというだけで終わらないのが、有川氏のすごいところ。そこには、おじいちゃんから見た孫、孫から見た祖父、親からみた息子・娘。子供からみた親。世代の間にある埋めることのできない溝。しかし取り立てて埋めるほどでもない。その辺りの機微に通じたものがちりばめられていて、ホロッとする場面があったりします。それになりより、罪を憎んで人を憎まずの強くて優しいおっさんたち。最高です。

 有川浩さん、ますます好きな作家のひとりになってしまいました。


三匹のおっさん (文春文庫)
文藝春秋
2012-03-09
有川 浩

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この記事へのコメント

ぴよ
2012年08月15日 07:36
これまた面白そうな本ですね!
以前、ブログに書いてらした「阪急電車」も とっても面白かったです。
この本、タイトルに惹かれて書店で手に取ってみたんですが、結局読まずにいました。

ゲコゲコさんのおすすめなら、一度読んでみようかな。

ゲコゲコ
2012年08月16日 00:33
>ぴよ さん
私はあまり小難しいものは読みません。
有川浩さんの小説は、難しい表現がなくすいすい読めます。それでいて、心に何かが残る。いいですよ。

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