最近読んだ本(39)――有川浩『空の中』

 丁度一年前、有川浩氏の『阪急電車』を読んで、いたく感動した。今年も年末になって同じ作家の『空の中』という長編小説を読んだ。そして、今回も大いに感動する羽目になってしまった。

 学生時代、今年亡くなった小松左京を始め、眉村卓、半村良などの作品を多く読んだものだった。海外ものも、アシモフを筆頭に結構SF物を次から次へと読んでいた。

 『空の中』もいわばSF小説に分類されるものであろうかと思われるが、私がかつてよく読んだSF小説とは些か異なるものであった。だいたい、人は推理小説だとか冒険小説だとかなんだかんだと区分けしたがるのであるが、そんなものどうでも良いようにも思える。読んで面白かったら、何だっていいのである。少なくとも私はそうである。

 物語は、四国沖の2万メートル上空で、航空機事故が2度も続けて起こってしまうところか始まる。2度の事故に共通する原因は何か、というところから話に引き込まれることになる。一方高校生の男女が海辺で不思議な生物を拾って、それを飼い始める。当然、読者はこの全然関係のないふたつの事象が、関係あるのだろうと推測できるが、どう繋がって行くのか、読み手の推測の枠を越えた発展にどんどん引き込まれて行ってしまう。とてもわくわくしながらページをめくっていった。

 そして、事はどんどん大きくなって行き、日本が、人類が……、というところまで発展してしまうのである。

 と、こう書いてしまうと、やはり小松左京ばりのSFものかということになりそうだが、これが違うんだな。(^o^) どういうところで、単なるSFで終わらないかと言いますと、ネタばれになるのであまり詳しくは言えませんが、第一に主人公はじめ登場人物のキャラクター設定というのか、そういうものが実に見事。軽快な会話に微笑みながらどんどん巻き込まれて行く。

 『阪急電車』もそうだったが、特別すごい人物が登場するわけでもなく、どこにでもいそうな人物であるのに、非常に良い味を持った人物が多く登場するのである。そのキャラクター設定、これはまさに有川浩氏のなせる技なのだろう。久し振りに時の経つのも忘れて読書に没頭してしまった。読んでる途中から、何だか心が温まるというか、熱いものを感じぜずにはいられなかった。読み終わった後になんとも快い感覚が充満した。

 昨年末の『阪急電車』と同様、ホント、今年も最後にいい話を読ませてもらったと、非常に満足している。2年越しで有川浩氏の作品を2冊読み、すっかりファンになってしまった。今度、ファンレターでも出そうかしら。(^^ゞ


空の中 (角川文庫)
角川グループパブリッシング
有川 浩
amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 空の中 (角川文庫) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

ナイス

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック