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<<   作成日時 : 2008/07/21 18:25   >>

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 森村誠一氏の『正義の証明』って本を読みました。はい、また推理小説です。ホンマに好きですわ。

 今回は、図書館で借りたんじゃなくて、ちゃんと自分のお金で買いましたよ。上下巻に分かれた長い作品だったし、会社の行き帰りの電車の中だけで読んでいただけですから、読み終えるまでには日数もかかってしまいました。面白い作品だったので、家にいる暇な時間にでも一気に読んでしまえばよかったのですがね。そんな気持ちを抑えてゆっくり読んでいました。だって自分のお金で買った本を一気に読み切ったら、なんだか勿体ないような気がして……。貧乏性ですね。

 森村誠一氏の作品は、全く関係ないと思われるふたつの事件が発生して、それが読み進むにつれて、重要な関連性が出てくるというパターンが多いです。この『正義の証明』も出だしはそんなパターンでした。ただ、事象はふたつだけではありません。

 若い夫婦が東京の表参道近くのアパートに引っ越してくるところから話は始まります。また一方、あらゆる悪の手口について書かれた『悪魔のガイドブック』という本がベストセラーになり、その手口にそそのかされた若者が事件を起こしてしまいます。そして被害者の少女は自殺してしまいます。その本を出した出版社の社長は、自分には責任がないと世間の批判もはねつけるのですが、「私刑人」と名乗る謎の人物に襲われてしまいます。

 またリストラになった男がある美人と知り合うという事があったり、学校へも行かずにぐうたらしている学生が暴力団の幹部になったり、取っ替え引っ替え若い女性を食い物にする外国人実業家が出てきたり、とあらゆる方向から物語りは展開して行きます。それがすべて先の「私刑人」の謎に繋がって行くのです。「私刑人」が、法の裁きが及ばぬ者に、悪事の償いをさせていく課程がスリリングに描かれていきます。

 そして、事件を担当するのは、森村作品ではお馴染みの棟居刑事。「法」は、いつも被害者の味方だとは限りません。逆に加害者を守るような部分もあります。それを「私刑人」が裁いていくのです。しかも、最後まで「私刑人」は殺人だけは犯しません。読んでいて、ついつい「私刑人」に肩入れしたくなりました。しかし、警察官としての棟居刑事の立場としては、そんなもの許すことができません。警察と私刑人との関係がどう帰結するのか、実に興味深く読むことができました。



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